3.遺伝子の働きとは?

 すべての細胞は同一のDNAを持っていますが、各細胞内では遺伝子は使い分けられています。遺伝子の中には、細胞の基本的機能に必要なタンパクを生成させるものがあります。これをハウスキーピング遺伝子といい、多くの細胞の中で使われています。しかし、その他の遺伝子はほとんどどの場合使われません。遺伝子の中には受精卵(胚細胞)から発育する初期段階で使われ、その後二度と使われない遺伝子もあります。多くの遺伝子が、特定の細胞内でのみ使われ、その細胞の特徴――たとえば脳細胞(この細胞は骨細胞と異なります)――を作り出します。通常、細胞は必要なときだけ遺伝子を働かせ、そうでないときは意図的にその働きを止めています。



図5:遺伝子は、その情報に基づいて作られたタンパクにより人間の体に様々な機能を与えます。環境からの刺激に対する反応もその一つです。