20.遺伝カウンセリングの果たす役割は?

 がんの発症前遺伝子診断において、遺伝カウンセリングはきわめて重要な役目を担っています。遺伝子診断を受けようとする人は、診断をはじめる前、診断結果を聞く時、そしてその後数ヶ月にわたって、専門的な教育を受けた遺伝カウンセラーと面談することになります。

 診断を受ける前に、カウンセラーは被験者に陽性の結果が出た場合の心の準備ができているかどうか、そしてまさにこれから行うことと、その後起こり得ることを十分に理解した上で遺伝子診断を行うことに同意しているかどうかを確認します。その上で、診断を受けようと決断した場合、カウンセラーは本人や家族が診断結果に適応できるよう手助けします。さらに、ありうる全ての発症予防法や検診方法を知らせるとともに、受診のスケジュール調整などの手助けをします。


図22:遺伝カウンセラーは、遺伝子診断を受けるかどうか考えるとき、またその結果の開示を受けるとき、そして診断後数ヶ月間、被験者を手助けできるよう訓練を受けています。