頭頸科・甲状腺腫瘍科

当科の特徴

頭頸部がんの外科治療、放射線治療、化学療法、免疫治療などを専門に治療を行う診療科です。代表的な頭頸部がんとして「舌がんをはじめとする口腔がん」「咽頭がん」「喉頭がん」「唾液腺がん」「副鼻腔がん」「頸部食道がん」などがあります。「甲状腺がん」も当科で受け持っています。
四国がんセンターは頭頸部がん診療専門医研修施設、日本内分泌甲状腺外科専門医認定施設、日本気管食道科学会研修施設、日本耳鼻咽喉科学会専門医研修施設などに認定されており、松山市内だけでなく愛媛県全域および他府県の医療機関からも紹介を受けています。

頭頸部がんの治療について

頭頸部領域は会話や発声、呼吸、嚥下(えんげ)といった複雑な働きをになう部位なので、その治療には耳鼻咽喉科・頭頸部外科医を中心に、放射線治療医、形成再建外科医、歯科医など多くの領域の専門医やスタッフの総力を結集して行う必要があります。治療の内容は手術、放射線治療、抗がん剤治療、分子標的薬治療、免疫治療などさまざまです。

診療実績

頭頸部がん新患症例数 (年間100例以上:頭頸部がん診療専門医研修施設)

2020年
121件
2021年
126件
2022年
127件
2023年
123件
2024年
130件
2024年手術件数内訳

頭頸部がんの手術

頭頸部がんの中には手術が非常に有効で治療の第一選択となるものが多くあります。早期がんでは手術で取り除く範囲も少なくてすみ、内視鏡を用いるなど低侵襲手術が導入されています。
一方で、進行がんではしっかりと摘出したのちに、失われた機能や形態を再建手術で補う方法がとられます。

甲状腺の手術

甲状腺がんでは片側だけ摘出する場合と全摘する場合があります。リンパ節転移があればリンパ節郭清術を併用します。
傷については目立ちにくいように皺に合わせて横に切開します。進行した甲状腺がんではしっかり切開線を延長したうえで確実に腫瘍摘出することが最優先になりますが、良性腫瘍や早期の悪性腫瘍ではより小さな傷口で腫瘍摘出が可能な内視鏡手術(VANS法)を導入しています。
また、甲状腺のすぐ裏には声を出すための神経(反回神経)が走っており、手術後に声がすれなどの症状が出ることがあります。当科では術中に神経モニタリングを行いながら神経温存に努め、術後には音声リハビリも行う体制をとっています。がんのために神経が残せない場合でも神経再建や喉頭形成術といった声を出しやすくする治療を行っています。

頭頸部の再建手術

がんを完全切除するために同時に失われた部分をご自分の体の一部を移植することで補う手術のことを再建手術といいます。なかでも再建が必要な部位へ離れた場所から組織を持ってくる手術を遊離組織移植術といいます。代表的なのは前腕皮弁、腹直筋皮弁、前外側大腿皮弁、遊離空腸、肩甲骨皮弁、腓骨皮弁などです。移植の際には、手術用顕微鏡を用いてこれらの組織を養っている血管と首周りの動静脈とをつなぎ合わせて血流を確保する必要があります。進行した頭頸部がんに対する拡大根治切除+遊離組織移植による当院での再建術の移植成功率は96.7%(145/150例)です。また、過去5年間に進行舌がんに対して、舌亜全摘術+再建手術を組み合わせた14名のうち12名の方が退院時には完全に口から食事ができるようになりました。

頭頸部がんに対するロボット手術について

中下咽頭がんに対して従来施行されてきた内視鏡手術に加えて、Da vinci Xiを用いたロボット手術が可能となりました。当科においてもその体制が整いました。今後、積極的に治療を行っていく予定です。

頭頸部がんに対するアルミノックス治療(がん光免疫治療)について

従来の標準治療で制御できない頭頸部がんに対する治療オプションとして、アルミノックス治療を施行可能な体制を整えています。

治験・臨床研究について

四国がんセンターでは積極的に治験・臨床試験を行っています。
代表的なものとして以下の臨床研究を行っています。

  1. 1.StageⅠ-Ⅱ舌癌に対する予防的頸部郭清省略の意義を検証するランダム化比較第Ⅲ相試験
    (JCOG1601)
  2. 2.StageⅠ-Ⅱ舌癌に対するTERTp変異の臨床的意義・転帰に関する探索的試料解析研究
    (JCOG1601A1)
  3. 3.頭頸部癌化学放射線療法における予防領域照射の線量低減に関するランダム化比較試験
    (JCOG1912)
  4. 4.局所進行頭頸部扁平上皮癌術後再発ハイリスク患者の術後補助化学放射線療法の予後・治療効果・有害事象を予測するバイオマーカー研究
    (JCOG1008A1)
  5. 5.高用量シスプラチン併用化学放射線療法不耐の高齢者頭頸部扁平上皮癌に対するWeekly CDDP併用化学放射線療法の意義を検証するランダム化比較第Ⅲ相試験
    (JCOG2405):準備中
  6. 6.頭頸部表在癌に対する経口的手術の第Ⅱ-Ⅲ相試験
    (TOS-J試験)
  7. 7.頭頸部表在癌経口的手術後の異時性他臓器癌の早期発見による予後への影響と発生リスクと予防方法の検討に関する多施設共同前向きコホート研究
    (TOS-J-2試験)
  8. 8.頭頸部癌根治照射後の表在性の局所遺残再発に対する経口的手術の第Ⅱ相試験
    (TOS-J-3試験)
  9. 9.頭頸部がん治療終了症例における予後予測についての多機関前向き観察研究
  10. 10.甲状腺未分化癌に対するBRAF変異の頻度とBRAF阻害薬の有効性と安全性を検証する多機関共同観察研究
    (BRAVE study)

以下の新規治療薬の治験を行っています。

  1. 1.アンドロゲン受容体(AR)陽性の局所進行又は再発/転移性唾液腺癌患者を対象とした性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト併用におけるアパルタミドの有効性及び安全性を評価する非盲検第2相試験(登録終了)
  2. 2.再発性または転移性頭頸部扁平上皮癌患者を対象としてbuparlisib (AN2025)とパクリタキセルの併用投与とパクリタキセル単独投与を比較評価する試験:BURAN試験(登録終了)
  3. 3.進行固形がん患者を対象としたAB122プラットフォーム試験 頭頸部癌対象コホート(登録中)
  4. 4.未切除の局所進行頭頸部扁平上皮癌患者を対象に化学放射線療法後の逐次療法としてのdostarlimabを評価するランダム化、二重盲検、プラセボ対照、第Ⅲ相試験:JADE study試験(登録中)

外来表

予約患者さん優先となります。
初診の方はFAX予約をご利用ください。

1診
2診
3診
月曜日
門田
橋本/岡
青木
火曜日
担当医(午前)(手術日のため変更あり)
水曜日
門田
橋本
青木
木曜日
担当医(午前)(手術日のため変更あり)
金曜日
橋本
増井

(がん音声嚥下外来/担当:橋本・岡)

※診療担当は変更する場合がありますので、事前にご確認ください。

スタッフ紹介

統括診療部長門田 伸也(もんでん のぶや)

専門領域

頭頸部外科
甲状腺外科

認定資格
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医 指導医
  • 日本内分泌外科学会 専門医 指導医
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医 専門研修指導医
  • 日本甲状腺学会 専門医
  • 日本気管食道科学会 気管食道科専門医
  • 頭頸部アルミノックス治療 施行医
  • 麻酔科標榜医

頭頸科・甲状腺腫瘍科医長橋本 香里(はしもと かおり)

専門領域

耳鼻咽喉科
頭頸部外科
甲状腺外科

認定資格
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医 指導医
  • 日本気管食道科学会 気管食道科専門医
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医 専門研修指導医
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 補聴器相談医
  • 頭頸部アルミノックス治療 施行医

医師青木 一真(あおき かずま)

専門領域

耳鼻咽喉科
頭頸部外科

認定資格
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医

医師岡 智哉(おか ともや)

専門領域

耳鼻咽喉科
頭頸部外科

認定資格
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医

医師増井 貴嗣(ますい たかし)

専門領域

耳鼻咽喉科
頭頸部外科

認定資格