放射線治療について
『放射線治療』は、「手術」「薬物療法」と並ぶ、がん治療の重要な方法のひとつです。
放射線をがんに集中的に当てることで、がんの治癒やがんによる痛みの緩和などを目指します。
近年は治療技術が大きく進歩し、正常な臓器への影響をできるだけ抑えながら、高い治療効果が期待できる「高精度放射線治療」が可能になっています。
四国がんセンターの放射線治療
四国がんセンターでは、年間600~700名以上の患者さんに放射線治療を行っています。
当院では、副作用を減らしながら、がんにしっかり放射線を当てることを目指し、高精度放射線治療の技術を積極的に取り入れています。また、精度の高い放射線治療が行えるように、毎回、放射線を照射する直前に体内の画像を撮影し、病巣や周囲臓器の位置を修正した上で放射線を照射しています。
がんによる痛みなど、がんに伴うつらい症状を緩和するために行う緩和的放射線治療にも力を入れています。
その他、2026年2月からはホルモン療法が効きにくくなった前立腺がんに対する「放射性リガンド療法」も開始しました。
主な治療
IMRT・VMAT
放射線ビームの強さや形をコンピュータで細かく調整し、正常な臓器への影響を抑えながら病巣に強い放射線を照射します。VMATはIMRTの進化版といえる高精度放射線治療です。
主に、
- 前立腺がん
- 頭頸部がん(のどや口のがん)
- 肺がん
- 食道がん
- 子宮頸がん
などに行っています。
定位放射線治療(ピンポイント照射)
小さながん病巣に対し、さまざまな方向から少しずつ放射線を照射して1点に集中させる治療です。周囲の正常組織への影響を抑えながら病巣にピンポイントで非常に強い放射線を照射することができます。
主に、
- 脳転移
- 小さな肺がん
- 小さな肝臓がん
- 転移が非常に少数の場合
などに行っています。
小線源治療(子宮がんや前立腺がんなど)
放射線を出す小さな器具を体内に入れ、がんの近くから直接放射線を当てる治療です。
主な対象は、
- 子宮頸がん (RALS [ラルス]という治療装置を用います)
- 前立腺がん (放射性物質を詰めたシードと呼ばれる小さなカプセルを埋め込みます)
当院では画像を用いて位置を確認しながら、安全で精度の高い治療を行っています。
緩和的放射線治療
がんによる痛みなど、がんに伴うつらい症状を和らげ、生活の質を改善するために行う放射線治療です。
期待できる主な効果は、
- 骨転移による痛みを和らげる
- がんからの出血を止める
- がんによる気管支、血管、胆管などの狭窄に伴う症状を和らげる
- 脳転移による神経症状を和らげる
- 脊椎転移による脊髄圧迫・下半身マヒの予防
これらの緩和照射のうち最も多く行われているのは、痛みが強い骨転移への緩和照射です。骨転移の痛みを和らげるためには1回の放射線照射で十分な場合も多いことが知られています。骨転移の痛みを緩和するための1回照射を行う場合、予約した上で放射線治療科の外来を受診して頂ければ合計3時間程度で準備から治療まで完了できます。他院に入院中の方、在宅医療を受けておられる方などにも比較的簡便に受けて頂けると思います。
核医学治療
2026年2月から転移を伴う去勢抵抗性前立腺がん(ホルモン療法が効きにくい前立腺がん)に対して、放射性薬剤を点滴投与する治療を始めました。6週間ごとに計6回まで放射線を出す薬剤を投与します。薬剤投与後はしばらく体や尿から放射線が出るため、入院して特別措置病室という専用の個室に入る必要があります。体から出る放射線が規定の値を下回れば退院できます。ほとんどの場合、24時間程度で退室可能となります。特別措置病室にいる間は体から放射線が出ているため、原則としてスタッフや家族は部屋に入れません。そのため、身の回りのことが完全に自分ひとりでできることが治療を受けるための必要条件となります。(この治療を希望される方は、かかっている病院から当院泌尿器科に紹介してもらって下さい。)
診療実績について
放射線治療患者数
2025年 |
|
|---|---|
| 呼吸器 | 187 |
| 消化器 | 90 |
| 乳腺 | 154 |
| 婦人科 | 37 |
| 頭頸科 | 42 |
| 泌尿器 | 74 |
| 血液 | 15 |
| その他(骨軟部, 原発不明癌) | 25 |
| 合計 | 624 |
定位放射線治療件数
2025年 |
|
|---|---|
| 肺 | 36 |
| 脳 | 40 |
| 肝 | 6 |
| 骨転移 | 15 |
| リンパ節転移 | 3 |
| 副腎,その他 | 3 |
| 合計 | 103 |
IMRT・VMAT (強度変調放射線治療)件数
2025年 |
|
|---|---|
| 前立腺 | 34 |
| 頭頸部 | 31 |
| 婦人科 | 28 |
| 肺 | 19 |
| 消化器 | 10 |
| 乳腺 | 8 |
| 骨・軟部 | 2 |
| 合計 | 132 |
小線源治療件数
2025年 |
|
|---|---|
| 前立腺がんシード治療 | 10 |
| 婦人科小線源治療 | 12 |
| 合計 | 22 |
業績
スタッフ紹介
放射線治療部長濱本 泰(はまもと やすし)

- 専門領域
放射線治療
- 認定資格
-
- 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
- 日本医学放射線学会 指導医
- 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医
- 第1種放射線取扱い主任者
医師神﨑 博充(かんざき ひろみつ)
- 専門領域
放射線治療
- 認定資格
-
- 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
- 日本医学放射線学会 指導医
- 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医
医師長﨑 慧(ながさき けい)
- 専門領域
放射線治療
- 認定資格
-
- 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
- 日本医学放射線学会 指導医
- 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医




