トップページ >> 臨床試験のご案内
患者さんが今受けている治療は、現時点で最も良いと科学的に評価されている治療法が中心になっています。
どの治療が最も良いかを評価するためには、ヒトを対象とした試験が必要であり、それを臨床試験と言います。
【終了した臨床試験】
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がん患者さんに対する運動療法(ウォーキング)の妥当性の検討
臨床試験の目的
がん治療の中心的役割の一つである抗がん剤療法では、体重減少、筋力低下、貧血、倦怠感などの治療による副作用で治療継続が困難になったり、治療効果に悪影響を及ぼすことがあります。これらの副作用は、がん患者さんの活動状態やQOL(生活の質)を低下させ、日常生活にも悪影響を及ぼしています。
一方運動療法は、日常生活での活動性の低下を防ぐとともに成人病予防の効果が明らかになっています。また運動を続けることは、一部のがんで再発を抑制することも明らかになってきています。
そこで、抗がん剤療法に際し、ウォーキングを中心とした適度な運動を習慣づけることで、筋力・体力の低下を軽減し活動性の低下予防や回復を早め、がん治療面でよい効果を生むのではないかと考えました。点滴による抗がん剤療法中の患者さんにおける運動療法(ウォーキング)の意義を、検討します。
臨床試験の方法
がん患者さんに応じた運動量を設定し、歩行(ウォーキング)を中心とした運動療法を計画的に指導実施し、その後9ヶ月間の運動(ウォーキング)状況と活動状態やQOLを評価します。
具体的検査・評価項目
6分間歩行テスト、体重、握力、肺活量、万歩計による歩数、
QOL問診票、運動療法(ウォーキング)の継続性、
抗がん剤治療の副作用状況(血液検査を含む)
【実施医療機関】
四国がんセンター
研究者代表 四国がんセンター 第一病棟部長 山下素弘
がん化学療法後に出現するしびれに対する鍼治療に関する臨床試験
臨床試験の目的
がんに対する抗がん剤治療については、新規薬剤の開発とともに治療成績の向上が認められています。
しかしながら、副作用の出現により治療が中断されることが少なからずあります。
特に、乳がん、卵巣がん、肺がんなどでよく用いられるタキサン系抗がん剤は、高率に末梢四肢の痺れが出現することが知られており、こうした症状は患者さんのQOLを著しく損ないます。
そこで、鍼治療がこの症状を軽減する効果があるかどうかを検討します。
臨床試験の方法
週1回の鍼治療を下腿(それぞれ5ヶ所のツボ)に計6回施行します。
現在までの結果
20例に実施しており、おおむね良好な結果を得ています。
今後はデータを解析して、鍼治療が抗がん剤投与後どの時期に開始されればよいか、あるいは予防的投与にて発症率をどこまで軽減できるのかなどを検討していく予定です。
【実施医療機関】
伊藤 壽記 (大阪大学大学院 生体機能補完医学講座)
大阪大学大学院医学系研究科 生体機能補完医学講座 ホームページ >>
■ 前立腺がん待機療法における健康食品の臨床研究
主任研究者:四国がんセンター 住吉 義光
■ アロマセラピーによる乳がん患者の不安感軽減効果に関する研究
主任研究者:京都府立医科大学大学院医学研究科免疫・微生物学 今西 二郎
■ 終末期がん患者に対する簡易マッサージによるストレス軽減効果の検証
主任研究者:静岡がんセンター 大坂 巌
■ 根治的前立腺全摘除患者における補完代替医療使用頻度の検討
主任研究者:京都大学大学院医学研究科泌尿器科講座 吉村 耕治