大腸外科:大腸がん(結腸がん、直腸がん)に対する手術部門

四国がんセンター 大腸外科の理念:
人に優しく。

大腸外科の特徴

特徴1:”初診から社会復帰まで、迅速で良質な医療を提供します” 詳細へ

お気軽に、いつでもご相談ください。迅速で手厚いサポートを心がけます。

特徴2:”実際の治療”患者さんそれぞれに最適な治療を提供します。 詳細へ

  1. 1.大腸がん専門の外科医・内科医・放射線科医による診断・治療を行います。
  2. 2.腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術が保険診療で可能です。
    人工肛門にならない手術を目指します。
  3. 3.倫理審査を通過した、最新の治療(臨床試験・治験)を提供できる可能性があります。あなたの治療データは将来の患者さんに役立てることができます。
  4. 4.進行・再発がんは拡大手術・集学的治療で根治を追求します。

特徴3:”家族への情報提供(がん教育)も充実。
ご家族も守りたいと考えています。” 詳細へ

 遺伝性がん診療科と密に連携し、大腸癌の手術を受ける方とご家族に対して、遺伝性大腸癌の情報提供と検査(ご希望された場合)を積極的に行っています。
 患者さんだけでなく、ご家族も守りたいと思っています。

一般的な診療の流れ

診療の流れ

お気軽に、いつでもご相談ください。迅速で手厚いサポートを行います。

1.初回受診日の決定が迅速

 お近くの病院や診療所・クリニックからのご紹介を受けてから20分以内で初回受診日を決定します(達成率:87%、以降、2019年のデータ)。また、患者さんが直接病院に連絡をとる際は、がん相談支援センター(089-999-1114)にご連絡ください。

 ご紹介から初回受診(初診)までの期間は、3日以内が53%、4日以内が70%と迅速です。

2.初診から1週間での再診:病気の診断が迅速

 初診日に検査、治療方針について説明し、初診から1週間後の再診までにPET/CTなどで病気の診断を行います。

3.再診から入院まで:複数のがん専門医・がん専門内科医・放射線科医によるチーム医療で最適な治療方針を決定

 当院は、四国唯一のがん専門病院です。手術だけでなく大腸がんに対してチームで治療できる環境が整っています。また、糖尿病などの併存症は、当院で治療中も糖尿病専門の内科医により可能です。もし深刻な心臓・脳溢血などの病気があった場合でも、がん専門病院での精査を希望された際には行います。残念ながら、がん以外の深刻な併存症で、当院ではなく総合病院での手術の方があなたのためになると判断した場合には、各々にあった信頼できる総合病院に、責任もって治療を依頼しますのでご安心ください。必要であれば追加検査を行い、再診後、手術のための入院までの期間は、およそ14日と迅速な対応をしています。その手術までの期間に、複数の外科専門医・がん専門内科医・放射線科医の会議で、患者さんそれぞれにあった最適な治療方針の最終決定をしています。

4.入院後から退院まで:早期の退院が可能です。一方で、必要であればリハビリテーションを受けながらの退院も可能です。

 近年は、入院期間の短縮(大腸がん手術でも、順調に経過すれば術後8日)も可能ですが、一定数の患者さんには様々な理由で退院に不安があります。その場合には、当院ではリハビリテーションを行いつつ入院期間を延長し、安心して退院できるようサポートします。

5.退院後、仕事への不安はないでしょうか?
仕事先の産業医との連携も可能です。

 退院後や抗がん剤治療中なども仕事に迷惑をかけるなど不安はないでしょうか? 当院では、ご希望されれば、患者さんの仕事場の産業医と連携し、仕事上の便宜を図ることが可能か支援をしています。その他、企業の健康管理についても相談(089-999-1114:がん相談支援センター)を受け付けています。

実際の治療

1.大腸がん専門の外科医・内科医・放射線科医による診断・治療。手術で入院の患者さんは、大腸外科のスタッフ全員が把握しています。

大腸外科スタッフ

 入院中は毎日、患者さんを回診します。主治医だけでなく、スタッフ全員が患者さんの状態を把握し、複数の目が行き届くようにしています。また、それにより現在、社会問題になっている外科医の疲労軽減に努め、医療の質を上げようと考えています。

2.腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術が保険診療で可能で、機能温存を重視した手術を目指します。

 通常の結腸・直腸癌に対して、従来の開腹手術に加え、より体に優しく、快復も早い腹腔鏡手術(下図)や直腸癌に対しては腹腔鏡下でのロボット支援下手術も可能です。当院はロボット支援下手術を保険診療として行うことが認可されている愛媛県4施設うちの一施設です(2022/4月現在)。といっても、ロボットが自動手術するわけではありません。直腸がんに対して、外科医(術者に規定があり、日本内視鏡外科学会の技術認定医および日本消化器外科学会専門医の資格が必要)がロボットを操作して、より立体的な視野のもと、手ぶれの少ない手術を行います。

ロボットの性能紹介
腹腔鏡手術の様子
開腹手術のきず(左)と腹腔鏡手術のきず(右)

 大腸の中でも、直腸は肛門に近く自律神経に囲まれて骨盤内に存在しており、膀胱、前立腺、子宮など多くの臓器に接しています。そのため、直腸がんの手術では、術後に排便機能や排尿機能、男性性機能に影響が出ることがあります。当科では、肛門を温存する手術や、排尿障害や男性性機能を損なわない自律神経温存手術も積極的に行っています。肛門に近いがんは、内肛門括約筋を一部切除することで永久人工肛門を回避する手術(ISR:括約筋間直腸切除術)を行うことが可能です。この手術は究極の肛門温存手術と呼ばれ、高度な技術が必要です。術後にある程度の頻便や失禁など排便習慣が変わりますが、この手術を選択された方の多くが術後の排便状態を許容範囲内に納めることが可能だとされています(参照1、2)。四国がんセンターには皮膚・排泄ケア認定看護師が常勤し、人工肛門の患者さんの生活の質の改善にも努めています。

(参照1) Saito N, Kobatake T et al. Early results of intersphincteric resection for patients with very low rectal cancer: an active approach to avoid a permanent colostomy.
(参照2) 齋藤 典男、小畠 誉也ほか 下部直腸癌に対するIntersphincteric resectionについて

ISR(括約筋間直腸切除術)

3.進行・再発がんは拡大手術・集学的治療で根治を追求します。

 化学療法(抗がん剤治療)は年々高度になっているため、抗がん剤を専門とする内科医が行うことができるのは、四国がんセンターの大きな魅力です。その他にもよりよい治療効果を求め、精度の高い放射線(定位放射線など)によって治療する環境が整っています。それに加えて、新たな”がんゲノム医療”(拠点病院は愛媛では四国がんセンターと愛媛大学附属病院の2病院です)、もちろん、外科医と内科医は密に連携を取り合っており、どちらにも相談することが可能です。
 他臓器に転移・浸潤した大腸がんや、初回手術後に再発した大腸がんに対しても、他臓器切除などを伴う拡大手術を行い、根治を目指します。他の病院で手術適応外と判断された患者さんに対しても、手術の可能性をぎりぎりまで追求するように心がけています。また、手術単独では根治が難しい患者さんに対しては、化学療法を行い腫瘍の縮小が得られた後に、手術を行うことがあります。

子宮に及んだ直腸がんの手術について、婦人科・形成外科との合同会議の様子

4.倫理審査を通過した、最新の治療方法(臨床試験・治験)を提供できる可能性があります。また、あなたの治療データが将来の患者さんに役立つかもしれません。

 治療は、基本的には最新の大腸がん治療ガイドラインに沿って行われます。しかし、残念ながらその治療でも満足な成果が得られていない状況もあるのが現実です。当院の大腸グループは、大腸癌研究会・腹腔鏡下大腸切除研究会・日本臨床グループ (JCOG) (愛媛県で唯一の所属)し、患者さんが参加できる最新の臨床試験・治験は、それぞれ倫理審査を通過しています。その結果は、国内外の雑誌や学会などで発表されます。例えば肛門に近い直腸癌の場合、腫瘍など状態を満たせば、75歳以上の高齢者に限らず、75歳未満の若い患者さんでも、手術を行わずに放射線治療で治療を行うなど、医師と相談し、患者さんの選択で治療方法を選ぶことができます(もちろん安全性を考慮して条件があり、十分な説明と同意が必要です)。プライバシーは守ります。

家族への情報提供(がん教育)も充実。ご家族(子供や兄弟姉妹など)も守りたいと考えています。

 がんの中で大腸癌は、最も高い確率(男性:10人に1人、女性:13人に1人)でかかる病気です。特に肉親に大腸癌が発症した場合、その肉親の数が1人の場合は2.5倍に、2人以上で4倍以上にもなります。
 大腸癌の約5%は特定の遺伝子の変化が癌の発生に関与しており、遺伝性大腸癌と呼ばれています。遺伝性大腸癌の方は、大腸癌をはじめいくつか特定の癌に罹患しやすく、また血縁者の方も同じ体質である可能性があります。そのため、遺伝的要因がある患者さんおよびその血縁の方には、起こしやすい癌に特化した対策(細やかな検診など)を取ることをお勧めしています。
 遺伝性大腸癌の診療上の問題点は、その多くが通常の大腸癌と見分けがつかないことです。そのため当院では遺伝性大腸癌を確実に診断することを目的に、大腸癌手術を受ける皆さんにマイクロサテライト不安定性(MSI)検査をお勧めしています。これは欧米で推奨されているユニバーサルスクリーニングという方法で、本邦でも今後普及することが期待されています。
 また、当院には「遺伝性がん診療科」という遺伝に関する専門部署があり、臨床遺伝専門医・遺伝カウンセラーが常勤しています。遺伝性がん診療科と密に連携をとることで、患者さんだけでなくご家族も守るための確実かつスムーズな診療体制を実現しています。

外来表

月曜日
小林
火曜日
髙津
水曜日
木曜日
小畠
金曜日
落合

受診方法

大腸がん検診(便潜血検査)陽性で精査を希望する場合
がん相談支援センターで受け付けております。
電話番号:089-999-1114(8:30〜17:15)
当院の診察券をお持ちの場合
予約センターで受け付けております。
電話番号:089-999-1112(8:30〜17:00)
当院の診察券をお持ちでない場合(他の医療機関より、ご紹介の場合)
現在かかられている医療機関からの、FAX紹介でのご予約を受け付けております。

スタッフ紹介

消化器外科医長小畠 誉也(こばたけ たかや)

専門領域

大腸がん(特に直腸癌)

認定資格
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本外科学会 外科指導医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科指導医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本内視鏡外科学会 技術認定医(大腸)
  • da Vinci Certificate 取得(ロボット手術)
  • 卒後臨床研修指導医養成講習会修了
  • 岡山大学臨床准教授

医師小林 成行(こばやし なるゆき)

専門領域

大腸がん
遺伝性大腸がん

認定資格
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本外科学会 外科指導医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科指導医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本消化器病学会 指導医
  • 日本消化器病学会 専門医
  • 日本内視鏡外科学会 技術認定医(大腸)
  • 日本遺伝性腫瘍学会 専門医
  • da Vinci Certificate 取得(ロボット手術)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会受講
  • 臨床研修指導医

医師落合 亮二(おちあい りょうじ)

専門領域

大腸がん

認定資格
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本内視鏡外科学会 技術認定医(大腸)
  • 臨床研修指導医

医師髙津 史明(たかつ ふみあき)

専門領域

大腸がん

認定資格
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本内視鏡外科学会 技術認定医(大腸)
  • da Vinci Certificate 取得(ロボット手術)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会受講
  • TNT研修会修了
  • 臨床研修指導医

実施中の臨床試験