1)陰茎がんについて
陰茎がんのほとんどは扁平上皮がんで、先進国では10万人に1人未満の発生率です。陰茎がんの危険因子は年齢、喫煙、包茎、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染が知られています。
2)陰茎がんの診断について
外観の異常で気づかれます。亀頭、包皮、冠状溝に固まりを作ったり、湿疹や潰瘍に見えることもあります。かゆみや灼熱感をきたしたり、出血は排尿困難で気づかれることもあります。確定診断は、生検を行います。
病理診断がつくと、CTやMRIでステージ診断を行います。
Jackson分類
1期 |
腫瘍は、亀頭部、包皮、もしくは両者の表層に限局している |
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2期 |
腫瘍は、陰茎体部に浸潤している |
3期 |
鼠径リンパ節転移を認めるが、手術可能である |
4期 |
腫瘍は陰茎体部を越えて浸潤するか、手術不可能な鼠径リンパ節転移もしくは遠隔転移を認める |
3)陰茎がんの治療について
手術治療について
陰茎温存手術
レーザー治療や局所切除術がおこなわれます。
陰茎切除術
陰茎部分切除術
陰茎を途中で切断し、尿道口を形成します。
陰茎全切断術
陰茎を全て切断し、尿道を肛門の前方に出します。
リンパ節郭清術
そけい部や骨盤内のリンパ節郭清を必要時行います。
放射線治療について
初回治療で適応になるのはT1がん以下です。有害事象として尿道粘膜炎、浮腫、二次感染があります。晩期の合併症として尿道狭窄があります。
化学療法について
上皮内がんに対しては5-FUクリームの局所塗布で治癒が得られます。進行がん、転移がんに対しては当院ではTIP療法(パクリタキセル、イフォスファミド、シスプラチン)による多剤併用療法を行っています。