精巣がんについて(詳細)

精巣がんについて

精巣(睾丸)は、男性ホルモンを分泌すると同時に、精子をつくり生殖を可能にする役割があります。男性ホルモンを産生するのは、ライディヒ細胞と呼ばれ、精子をつくるもとになる細胞は精母細胞と呼ばれています。精巣に発生する悪性腫瘍の約95%は、この精母細胞から発生します。精母細胞のように生殖に直接関係のある細胞を生殖細胞あるいは胚細胞(germ cell)、精母細胞由来の精巣腫瘍は胚細胞腫瘍(germ cell tumor)とも呼ばれます。
精巣がんにかかる割合は10万人に1人程度とされ、比較的まれな腫瘍です。しかし、他の多くのがんと異なり、20歳代後半から30歳代にかけて発症のピークがあり、若年者に多い腫瘍であることが大きな特徴です。実際に20から30歳代の男性では最も頻度の高い腫瘍です(白血病などの血液がんを除く)。
精巣がんのリスク因子としては家族歴(4-10倍)、停留精巣(2-8倍)があったこと、反対側の精巣に腫瘍があったこと(25倍)がよく知られています。停留精巣は早期の手術によりリスクを下げることができると報告されています。その他のリスク因子としては、男性不妊症(2.4倍)、精液検査での異常(20倍)などが報告されています。

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