がん予防・疫学研究部

がん予防・疫学研究部について

がん予防・疫学研究部は医療情報研究室と臨床疫学研究室よります。
『医療情報研究』と『臨床疫学研究』は、いずれも当院の性質上重要な位置を占める研究分野です。医療情報研究は、医学研究や診療の最発生する様々な情報(医療情報)を研究するものです。広い領域のものが含まれます。
臨床疫学研究は、臨床研究などのデータを統計学的に解析する手法そのものに対する研究や、手法を用いた研究をさします。両者の厳密な境目は曖昧ですが、両研究室の主な活動のうち、(1)~(3)が医療情報研究、(4)が臨床疫学研究に当たります。

(1)所属員が主体となる医療情報関係の研究
(2)愛媛県の院内がん登録・全国/地域がん登録の推進
(3)地域住民に向けたがん情報の提供方法の検討
(4)臨床研究の統計学的解析およびそのアドバイスなどです。
病理情報の利用・解析、がん登録情報の利用解析・公表法の研究などでは、一定の評価を得ています。医療情報研究と臨床疫学研究の及ぶ範囲は広く、当部の人員は少ないので、幅広い興味をもち、かつ実際の研究は集中させて今後運営していきたいと思います。

がん予防・疫学研究部 部長
寺本 典弘

院内がん登録・愛媛県がん登録室(全国がん登録)について

院内がん登録

院内がん登録は病院毎のがんの情報を標準登録様式という規則に従って登録したがんのデータベースです。自院のがん情報をまとめるためや、がんの台帳として役立つだけではなく、日本のがん診療の実情を知るために役に立つツールです。四国がんセンターの院内がん登録は、医療情報管理室において、腫瘍登録士中級者3名、初級者4名、協力医師4名の陣容で行っています。
四国がんセンターは愛媛県がん診療連携拠点病院としてがん登録専門部会を組織し、県内の院内がん登録の中心的役割を果たしています。院内がん登録室は患者家族総合支援センター・がん登録支援室および臨床研究センターがん予防・疫学研究部と表裏一体です。がん予防疫学研究部のメンバーは国立がん情報センターのがん登録研修専門家パネルや標準化委員、日本がん登録協議会の委員などを務めており、四国がんセンター1施設の精度維持向上だけではなく、愛媛県や日本の院内がん登録全体の精度向上を考えています。

愛媛県がん登録室

四国がんセンターは愛媛県の地域がん登録を2007年から受託しております。受託後、様々な努力により愛媛県の地域がん登録の精度は向上を続けました。2016年より、当部も関係があるがん登録推進法の施行に伴い、愛媛県から全国がん登録の愛媛県の部分を受け持つ、愛媛県がん登録を受託しました。全国がん登録は、それまで自治体毎に行われていた地域がん登録をバージョンアップしたもので、日本全体を対象とする地域がん登録です。 地域がん登録はがん対策や地域の疫学研究の基盤となるものとして重要です。