PET-CTをがん検診に用いる試み(PETがん検診)
PET-CT検査はがんの診療に有用であり、これをがん検診に応用したのがPETがん検診です。1994年よりわが国で始まった世界的にもユニークな試みで、21世紀の最初の10年間に全国に普及しました。
PETがん検診の利点
- ● 広い範囲(通常、頭から大腿の付け根まで)を比較的楽に検査できます。
- ● 対象となるがんの種類が多く、一般の検診(胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がん等)の対象になっていないがんも発見が可能です。
PETがん検診の問題点
価格が高いこと、他の検診に比較すると放射線被曝が多めであること、検診としての科学的根拠(死亡率の減少)はまだ確認されていないことなどがあります。
検診対象
PETがん検診をお勧めするのは基本的にはがんのリスクが高い方です。中・高年の方、がんの家族歴がある方、喫煙など発がんリスクを有する方、などが挙がります。また一般の検診では対象になっていないがんも含めて、たくさんの種類のがんを一度に調べたい方にお勧めです。逆にお勧めしにくいのは若い方(がんが少ない)や糖尿病の方(PETは血糖の影響を受ける)などです。
他の検査の併用
PET-CT検査は苦手とするがんもあり他の検査の併用も望まれます。例えば食道、胃、大腸の早期がんについては内視鏡検査、肝臓や膵臓、腎臓についてはMRIや超音波検査、前立腺については腫瘍マーカーPSA検査、乳腺についてはマンモグラフィや超音波検査、子宮頸がんについては細胞診、などが挙がります