SSI(手術部位感染)

SSI(手術部位感染;Surgical Site Infection)

SSI(手術部位感染、 Surgical Site Infection)とは、手術操作を直接加えた部位に発生する術後感染のことで、手術創の感染とともに縫合不全や遺残膿瘍などの腹腔内の感染も含みます。

一度SSIが発生すると、患者さんにとっては、入院期間の延長・支払う医療費の増大と、手術治療に対する満足度を著しく損ねることになります。 医療者側にとっても時間的・物質的・経済的に負担となり、SSI発症率を低下させることは非常に重要な課題です。

SSIサーベイランスとはSSIの実態を調査して、疫学的原則に基づいて収集・分析・解釈し、ICTに報告して情報を共有することと定義されます。 PDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルといって、得られた情報をもとにSSI防止対策を立案・実施し、更にサーベイランスにより評価することを繰り返しSSIの低減をはかっています。

当院では2006年より最もSSIの頻度が高いとされる下部消化管手術(大腸の手術)に対してSSIサーベイランスを活動しています。 毎月行われるICT委員会で報告し、原因を検討します。データが集まった時点では統計的にも検討し、PDCAを実行しています。

当院はサーベイランスによりSSIが減少し、有効に機能しています。その結果は、院内だけではなく全国学会・研究会にも報告しています。

サーベイランスは全ての医療者が共通意識を持って徹底することが重要です。 更にSSI低減し、患者さん・医療者双方の満足度がもっともっと上がることを願って今日も活動しています。