診断について

診断

画像検査で副腎腫瘍が認められれば、ホルモン検査を行い、ホルモンの過剰分泌がないかどうか検査します。高血圧や特徴的な症状から副腎腫瘍が疑われ画像検査がなされることもあります。ホルモン検査は血液検査だけでなく尿中の代謝産物も測定します。また、血液検査も通常の採血だけでなく、カテーテルを用いて副腎静脈から直接採血して調べることがあります。画像検査で悪性が疑われる場合には、遠隔転移がないかどうかの検査も行い、下記のように分類します。

TNM分類

副腎皮質
 
良性
 
 
機能性副腎皮質腺腫(ホルモン産生あり)
  • アルドステロン症
  • クッシング症候群
  • プレクリニカルクッシング症候群
  • 性ステロイド過剰産生
 
 
非機能性副腎皮質腺腫(ホルモン産生なし)
 
悪性
 
 
副腎がん(副腎皮質癌)
副腎髄質
 
良性
 
 
褐色細胞腫
 
 
神経鞘腫など
 
悪性
 
 
悪性褐色細胞腫

上記のTNM分類から以下のように臨床病期(ステージ)分類がなされます。

必須項目
 
褐色細胞腫と診断(あるいは疑い)
 
副腎外にも腫瘍が存在
副項目
 
副腎外腫瘍の病理組織が褐色細胞腫である
 
副腎外腫瘍にMIBGシンチグラフィーの取り込みがある

予後

副腎がんの予後は非常に悪いとされています。一般的には臨床病期Ⅰ(1)-Ⅱ(2)では5年生存率45-60%、臨床病期Ⅲ(3)-Ⅳ(4)期では10-25%と報告されています。Ⅳ(4)期で手術ができなければ予後はさらに悪くなります。