治療について

手術療法

良性の副腎腫瘍では手術が行われます。よほど大きな腫瘍で無い限り、ほとんどが腹腔鏡手術で行われています。褐色細胞腫も腹腔鏡手術で行われることが多いのですが、術中の血圧管理が難しく、他の手術よりは困難です。
副腎がんも小さなものであれば腹腔鏡で摘出します。臨床病期Ⅲ(3)期までは手術の適応ですので、腹腔鏡手術が困難であれば開腹手術で摘出します。Ⅳ(4)期でも手術可能と判断されれば、他に有効な治療法がないため手術を考慮します。

化学療法(抗がん剤)

副腎がんで手術が不可能と判断された場合、化学療法を行います。現在副腎がんに有効性が認められている化学療法はEDP(エトポシド+ドキソルビシン+シスプラチン)療法のみです(EDP療法同意書、PDF:202KB)。この治療法は、それまで使用されていたストレプトゾシンという抗がん剤と比較し、無増悪生存期間(病気の進行がない期間)の延長が認められました。また、奏功率は23.2%、病勢のコントロールは58.3%と報告され、EDP療法が有意に良い結果を示しています。
悪性褐色細胞腫で手術不能あるいは再発症例の場合、CVD(シクロフォスファミド+ビンクリスチン+ダカルバジン)療法が施行されます。また、ヨウ素131-MIBGを用いたアイソトープ治療(内照射療法)も有効な治療法としてありますが、国内では限られた施設でしか行われていません。