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アロマセラピー
アロマセラピーとは?
アロマセラピーとは、芳香性のある精油(エッセンシャルオイル)を用いて、その香りを楽しんだり、リラクゼーションを得たり、さらに病気の治療や症状の緩和などに利用される治療法です。
具体的な方法としては、香りをかぐ芳香浴、精油を入れたお湯に体を浸けるアロマバス、精油を希釈して直接体に塗ったり湿布を貼ったりする方法、さらには精油を用いたマッサージ(アロママッサージ)などがあります。
アロマセラピーが、がんの治療に用いられる目的としては、がん患者の心理状態、特に不安感やうつ症状などの精神的症状の改善効果、また、がんに伴う痛みなどの身体的症状の改善効果、抗がん剤や放射線療法の副作用を軽減する効果などです。
決して、がんが縮小したり消失したりすることはないと考えたほうがよいでしょう。
アロマセラピーのメカニズム
アロマセラピーの有効成分である精油(エッセンシャルオイル)は、次の3つの経路から体内に入りその薬理作用を発揮します。
- 鼻腔内でにおい・香りとして神経系に作用する
- 皮膚から直接吸収され局所に作用したり、吸収された成分が血流にのって神経系や内分泌系など全身的に作用したりする
- 気道などの粘膜から吸収され局所に作用したり、吸収された成分が血流にのって神経系や内分泌系など全身的に作用したりする
アロマセラピーというと、においや香りをかぐだけと思われている方も多いかもしれませんが、 アロママッサージなど直接肌に触れる場合やアロマバスなどを用いてアロマセラピーを行った場合は、皮膚や粘膜からも吸収され効果を発揮することを知っておいてください。
アロマセラピーの臨床試験
アロマセラピーが、がん患者さんの生活の質(QOL)を改善するかどうかを検討する臨床試験は、比較的多く行われています。
その結果、緩和療法中の進行がん患者さんでは、マッサージ(アロマオイルなし)のみを行った場合とアロママッサージを行った場合とで、精神症状や身体症状の改善効果を比較したところ、アロママッサージの方がマッサージのみよりもより改善効果を認めたとの報告があります。
また、乳がんの手術後患者さんに、アロママッサージを行い、不安感が軽減したとの結果もあります。
このように、種々のがん患者さんにおいて、アロマセラピーを行うことによって、患者さんの生活の質を改善する可能性があることが分かります。
しかし、有効性を認めなかったとする報告もあり、今後さらなる検討が必要と思われます。
アロマセラピーの注意点
アロマセラピーを利用する場合、いくつか気をつけたい点があります。
まずひとつは、アロマセラピーで用いる精油に関することです。
精油の中には女性ホルモンのエストロゲン様作用をもっている特殊なものがあります。
女性ホルモンが悪影響を及ぼす可能性のある乳がんや子宮体がんの患者さんは、そのような精油の利用を避けたほうがよいでしょう。
その他、発がん性のあると考えられるエッセンシャルオイルを表に示します。
アロマセラピーで用いる精油によっては、まれに皮膚の障害が起きることがあります。
アロマセラピーを行ったとき、皮膚がヒリヒリしたり赤くなったり痒くなったりした場合は、利用を控えたほうがよいでしょう。
いずれにしても、治療目的にアロマセラピーを利用する場合は、専門知識・技術のある人に相談しながら行う必要があるかと思います。
発がん性を有する可能性があることから、 アロマセラピーでは避けるべきエッセンシャルオイル (精油の安全性ガイド、フレグランスジャーナル社 1996年より引用・改変) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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